「煎茶の楽しみ方」

  「三煎」の楽しみ方  
 
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茶道では“三茶の教え”というものがあるようです。
たとえば、煎茶は、三煎して茶道を嗜むと、より味わい深いお茶が楽しめると言うわけです。

①まずはぬるめのお湯で「甘味」を楽しむ。
②次は、少し熱いお湯でカフェインの「渋味」を楽しむ。
③最後に、熱いお茶でタンニンの「苦味」を楽しむ。

 
一煎目には全アミノ酸の約45%が抽出されるため、甘味が強い美味しさになるようです。
 
二煎目は、全成分の抽出量は減るのですが、カフェインに関しては一煎目とほぼ同じ量が抽出されるため、カフェインの苦味が強調された美味しさになるそうです。
つまり二煎目は「苦味」を楽しむものなのです。
 
特に、二煎目を高い温度でいれれば、苦味の抽出が早まり、「苦渋味の強いお茶が好き」という方にはお勧めです。
 
ちなみに、三煎目までにほぼ全てのアミノ酸とカフェインは抽出されるため、科学的には三煎目までが美味しく飲めるお茶の限界のようです。
 
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健康面では
 
緑茶の成分で最も健康によいと言われるカテキンは、この実験ではタンニンに分類されます。驚くことに、このタンニンは一煎目には約18%しか抽出されていないようです。
 
つまり一煎目だけで葉っぱを捨ててしまえば、カテキン80%以上を捨ててしまうことになります。
 
二煎目以降もタンニンはお湯の中に溶け続け、三煎目でアミノ酸とカフェインの大部分が抽出されるのに対して、タンニンは三煎目までに46%しか抽出されないようです。
 
健康に対する効果だけを考えれば、三煎目以降も飲む価値があるということです。
 
 
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二煎目を楽しむ極意として
 
一煎目をいれる際に、最後の一滴まで湯飲みに注ぎきることだそうです。
急須の中にお湯が残っていると、残ったお湯の中に成分が抽出し続けてしまい、二煎目は非常に味の偏ったお茶になり、さらに、急須から垂れる最後の一滴が、最も味が濃く、美味しいと言われています。
「最後の一滴まで注ぎきる」それが一煎目、そして二煎目を楽しむ極意だと言えます。
 
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 すなわち、最初の一煎では茶の中の糖分がでるので、その甘さを味わう。
 
次に二煎ではカフェインの苦味を味わう。
 
三煎ではタンニンという渋味を味わう。
 
 
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はじめの「甘み」はどの子供も好むので味としては初歩の味です。
人間も「あれはまだ甘い」というのは修行が及ばないことの意味に使われます。その人間が人生で色々な出来事や社会に揉まれ、苦味を体験し、渋味を味わうことで人間としての深み、風格が備わってくるというものです。