『常に向上心をもつ』

   「高き理想をもて!」  
 
 
 
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 人生を前進するためには、物事を常に良いほうに良いほうに捉えて進んでいかなければなりません。「日時計主義」の生き方こそ人生の勝利者となることが出来るのです。
 
 
 
 「ぼくは世界一の野球選手」 
 
 
家の近所を散歩していると、何かひとり言を言いながら勢い良く裏庭を横切っていく少年に出くわした。
ちゃんと野球帽をかぶり、手にはバットとボールを持っている。
 
「ぼくは世界一の野球選手だ」
 
少年は誇らしげにつぶやくと、ボールを空に高く投げ上げた。
バットを振ってボールを打とうとしたが、見事に外れてしまった。
でもそんなことにはおかまいなしで、ボールを拾うともう一度高く投げた。
「今までに、ぼくみたいにうまい選手はいなかったんだぞ」
そう言いながら、バットを大きく振ったが、またしても空振り
バットとボールのどこが悪いか調べてから、ふたたび空に向かってボールを投げた。
「ぼくは、この世に生まれたどんな野球選手よりもうまいんだ」と言いつつ、バットを振った。  また、見事に空振りだった。
ところが、すかさず自慢そうに言った。
「やった!ぼくはなんてすごい投手なんだろう!」
 
 
 
 人間には常に前進したい、向上したという“内なる前進”の願いがあります。
私達が掲げた高き理想の希望は人生を前進させる推進力となるのです。
 したがって、常に向上したいと思うものは、その高き理想の実現のための努力と実践を怠ってはならないのです。偉大なる芸術家、事業家、発明家、作家、音楽家などは自分がどんなに年老いてもその努力をやめない人たちです。
 
 
 
 「理想を培って大成せよ」 
 
人間の内には一層高く向上したいという“内なる願い”が宿っているのである。
これが人々を押し出して、一層高き学業に励ましめ、一層大きく事業を推進せしめ、新しき発明に邁進せしめる事にもなるのである。
 人が一層大なる能力の発願を願い、困難を克服せんとして氷壁や断崖に手を擦して攀じ登り、白皚々の峻険を一対の滑走する草鞋にも似たるスキーをもって跳躍する事に喜びを感じ、さらに人工衛星や宇宙服に身を託して地球を回遊し、さらに地圏を離れて月世界に達せんとする。
 これらことごとくの願いは、人間には“無限なるもの”が宿っていて、それが今より一層多く発現したいという“内なる願い”となって人間の意志と行動とを推し出すからであるのである。
                   生長の家創始者谷口雅春先生著『人生を前進する』より