「日本の感性」
「日本神話の素晴らしさ」
奈良には日本最古といわれる大神(おおみわ)神社があります。
大国主命といえば、皆さんもご存じのように
「だましたワニザメに皮をはがれて苦しんでいた白兎に、真水で体を洗い、ガマの花粉の上に転がっているように教え、治してやった」
という、あの有名な「因幡の白兎」の話を思い浮かべることと思います。
また、日本では各地に神社に祭られており、その神々にまつわる話がたくさんあり、これらの神々に日本は守られています。
古来より日本人は、目に見えない尊いものに畏敬の念を抱いており、山川草木、風の音、虫の音に到るまで、あらゆる自然というものが神の命そのものであると感じる感性があります。
このように「神」「自然」「人間」の三者が一体であるという日本神話の感性は、我々日本人がずっと共有してきたものです。
神話や歴史を知ることにより、日本人特有の“和の精神”が育まれ、この国を支えている「日本人の感性」を知ることで、自然との一体感を自覚することができ、現在大きな問題となっている地球環境問題の解決にも日本人の役割は大きいと思います。
そして、現在、世界的に大転換が起こっているとき、私たちが見つめるべきは、深く成熟した情神、思想、文化を育んできた「日本という国」の土壌です。
足下に日本的精神、東洋思想、仏教文化といった豊かな土壌を持ちながら、一方で、科学技術や資本主義、社会システムにおいて最先端にある日本という国は、いま、自らの歴史的役割を自覚すべきときです。
21世紀、日本は、「神話に基づく、成熟した文化の力」によってこそ、世界に頁献すべきだと思います。