今日は「白露」です。

  「白露」 
 
 
今日は24節気の「白露」です。
「白露」とは、
「草木の葉に宿る露が白く光る」
という意味です。
 
今年は殊の外長い夏ですが、澄んだ夜空に美しいお月さまが顔を出すのももうすぐです。旧暦8月の節気で、早朝わずかに大気の温度が下がって、草木の葉先に水晶の玉のような美しい露を結びます。
日中はまだ汗ばむような暑さが残りますが、さすがにこの頃になると朝夕僅に涼しくなってきます。
このことからも白露とはいかにも美しい言葉です。
 
また、今年は9月28日が旧暦8月15日が中秋の名月です。日が暮れるに従って東の空にまんまるな中秋の名月が昇ってきます。
 
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白露(はくろ)
二十四節気の一つ。陰暦では8月の節にあたり、処暑(しょしょ)の15日後、新暦では9月8日ごろにあたる。太陽黄経165度。露が凝って白く見えるという意味で、昔はこのような現象がみられるのは秋の陰気が夏の陽気に交わるときとみた。すなわち夏から秋への季節の交わるときとみた。すなわち夏から秋への季節の交替時に白露を目印としたものである。
[ 日本大百科全書 ]
 
  このように、秋は初秋・仲秋・晩秋に分けられますが、これら三秋の内、仲秋の前半に「白露」、後半に「秋分」を置きます。今日は秋の収穫を予感する「白露」です。
白露は二十四(節)気の一つで、新暦9月8日ごろです。秋の気配が見え始め、大気が冷えて来て、草の葉に玉のように置く白露が見られるころという意味です。早く、残暑もようやく収まりの気配をみせて朝夕の心地よい涼風に、幾分の肌寒さを感じさせる冷風が混じり始めます。
(つゆ)が玉のように白く輝いている様子をいいます。
 
 
 
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白露は『万葉集』巻8と巻10の中には秋の雑歌に多くみられ(はぎ)の白露を詠んだ歌が多くあります。
 
第八巻 : 朝戸開けて物思ふ時に白露の
 
原文: 朝扉開而 物念時尓 白露乃 置有秋芽子 所見喚鶏本名
 
                                       
                                                                 作者: 文馬養(あやのうまかひ)
【よみ】
朝戸(あさと)開けて、物(もの)思(も)ふ時に、白露(しらつゆ)の、置ける秋萩(あきはぎ)、見えつつもとな

【意味】
朝戸を開けて物思いにふけっている時に、白露(しらつゆ)がついている秋萩(あきはぎ)がつい目に入ってきます。
 
 
 
第八巻 : さを鹿の朝立つ野辺の秋萩に
 
原文: 棹壮鹿之 朝立野邊乃 秋芽子尓 玉跡見左右 置有白露
 
 
                                                              作者: 大伴家持(おおとものやかもち)
【よみ】
さを鹿(しか)の、朝立つ野辺(のへ)の、秋萩(あきはぎ)に、玉と見るま で、置ける白露(しらつゆ)

【意味】
 牡鹿(おじか)が朝に立っている野の秋萩(あきはぎ)に、玉のように美しい白露(しらつゆ)がついています。
天平15年(西暦743年)8月に風景を見て詠んだ歌のひとつです。
 
 
 原文: 秋草尓於久之良都由能 安可受能未 安比見流毛乃乎 月乎之麻多牟
 
 
                              作者: 大伴家持(おおとものやかもち)
【よみ】
 秋草(あきくさ)に、置く白露(しらつゆ)の、飽(あ)かずのみ、相(あい)見るものを、月(つき)をし待たむ

【意味】
秋草(あきくさ)につく白露(しらつゆ)のようにはかなく、飽き足らない思いで逢うものなのです。(また来年の)月(つき)を待つことにしましょう。
天平勝宝6年(西暦754年)に詠まれた「七夕の歌八首」のひとつです。

注には、「大伴家持(おおとものやかもち)が独り天の川を仰ぎ見て詠んだ歌」とあります。
 
厳しい残暑のなか、かすかに秋の気配を感じるようになりました。
秋は風流な気持ちになり、実りも多く心が豊かになる季節ですね。