『自然への愛』

   本当のエコロジー   
 
 現在、地球は人間のエゴにより自然が破壊され、地球温暖化に拍車がかかっています。
 お釈迦さまが「山川草木国土悉皆成仏」、「一切衆生悉有仏性 」とお悟りになったように、山も川も草も木も一切すべてのものに、神性、仏性が宿っており、全ては“神の生命”、“仏の生命”であるとして一切に感謝し、すべてを拝する生活をしなければなりません。
 したがって、人間の生命と自然の生命とは本来一体であり、お互いに生かしあい共に伸びて行く生活の実践こそが地球温暖化の解決にも繋がっていくのです。
 
 地球の自然の生き方から人間の生き方を学び、その生活の仕方に喜びを感じるようになることこそ、本当のエコロジーと言えるのではないでしょうか。
 
 
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 生長の家創始者谷口雅春先生のご著書『新版 生活と人間の再建』には、第8章に「愛の諸段階に就いて」という題をつけて、この問題に明確な答えが示されています。この本は今、生長の家講習会のテキストにもなっていますから、皆さんもお持ちの方が多いと思います。お家へ帰ったら、読み返してみてください。
 
 (同書、pp.148-150 を朗読)

 ここで谷口雅春先生が説かれているように、人類のこれまでの「自然への愛」とは愛着の愛であり、執着の愛だったのであります。
 これは煩悩の1つでありますから、愛すれば愛するほど自然から奪い、自然を破壊する結果になってしまいました。
 私たちは今やその「煩悩の愛」を超えて、自然に対しても仏の四無量心を表す方向へと歩み出さなければなりません。
 
 では、それは何をすることでしょうか? 四無量心とは「慈・悲・喜・捨」です。すなわち、「慈悲」とは「抜苦与楽」の心です。
 つまり、人の苦しみを見ては、その苦しみを除いて楽を与えようと思う心です。
 
 これを自然界に対して適用すれば、自然が傷つき、多くの生物種が絶滅している現状を見て悲しみ、その自然を回復させ、生物種の保存と繁栄とを実現させようとする心です。
 また、生物が繁栄している様子を見れば、それを自分の繁栄のように感じて喜ぶ心が「喜」です。別の言葉で言えば、「自然と我とは一体なり」という自他一体の感情を起こし、その通りに生きることです。
 それが、より高次の「自然への愛」であり、これによって人間は初めて自然を傷つけ、自然から収奪する従来の生き方から離れることができるでしょう。
 
 さて、それでは四無量心の4番目の「捨徳」について考えてみましょう。自然を愛するに「捨」をもってするとはどういうことでしょうか? 谷口雅春先生は次のように説いておられます--
 
 (同書、pp.156-157 朗読)
 
 これを読むとお分かりのように、人間が自然を自分の好みに合わせてつくり変えるのではなく、自然本来の活力を発揮させ、自由に解放してあげることです。
 それによって、人間の生活に多少不便なことが起こっても、それを「不便」とか「不都合」とか考えないのです。なぜなら、自然と我とは一体なのですから、自然にとって好都合なことは自分にも好都合と感じるからです。人類の多くがこのような心境に到達するのは、まだまだ先のことでしょう。しかし、「神の愛」を実践することの大切さ、仏の四無量心の尊さを知っている信仰者には、こういう生き方に向かって努力することの意義がよく分かるのです。

          (生長の家総裁・谷口雅宣先生 ブログ『小閑・雑感』 2009年11月22日
                            「自然を愛する」とはどうすることか?より)
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