『 自然の声を聞け 』

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「自然の声を聞く」


ベストを尽くす! 後は我慢だ。


農業家の金子美澄さんは、無農薬、有機農法で知られています。

農薬を使わない有機農業は、疫病や害虫などの影響で毎年豊作にさせる事は難しいと言われて

います。



「農薬を使わない有機農業を行うという大切なポリシー」


特に雨続きの天候では、色々な作物に疫病が発生します。

このような時、有機農法にこだわる金子さんは、農薬を使わず、すぐに考えられるあらゆる手を

打った上で、その結果を天にゆだねるのだそうです。

天候に任せて、豊作や凶作に一喜一憂するのではなく、芳しくない場合は潔くあきらめる

「精神力」を持たなければならないと金子さんは言います。

そうでなければ農薬を使わない有機農業を行うという大切なポリシーが貫けないと考えるからで

す。


自然とは人間の力ではコントロールすることができないもので、自然と向き合って戦うのではなく、

我慢してつきあう事、即ち自然と共に一体となることが必要なのだということなのです。



「作物の声を聞け」



6月は田植えの季節です。金子さんは、或る年の、田植えの日、折り悪く、大荒れの天気となった

のでした。

それでも金子さんは田植えのスケジュールを変えずに淡々と仕事をこなしていたそうです。

それは金子さんが作物の「声」を何よりも大切に考えているからだと言っていました。


その「声」とは 

金子さんが「声」と呼ぶのは、種まきの時期や育て方など作物たちに適したタイミングや、

作物からの最適サインのことであり、その声に反して人間の都合で作物と接すると、決してよい結果が生

まれないと考えているのだそうです。

土に栄養がしっかりとあり、作物の声に耳を傾けて育てれば、人間は多く手をかけることなく、

自然に任せて、少し手伝うような作業だけで大きな収穫が得られると言っています。


困難こそ楽しめ


1993年に日本では日照不足に見舞われ、日本中で凶作となりタイ米を輸入した経験があります。

昨年の夏、金子さんは16年ぶりのピンチを迎えていました。畑ではトマトやスイカなどが不作と

なり、その中でもっとも深刻な影響を受けていたのが米だったのです。

イモチ病という伝染病が発生し、大凶作となる可能性が出ていたのでした。

今では、このイモチ病は農薬を使うと簡単に防ぐことができるそうですが、その農薬を使わずに

どうやって病気を抑えるか、金子さんは必死に策を考えたのでした。

どんな困難な状況になっても、金子さんはこれまでに磨いてきた技術で色々な工夫をした 

り、新たな対策を試すなどして、決して諦めることはありませんでした。 

こんな時ほど、心がわくわくして、面白いと語るのでした。 

金子さんは、厳しい状況であればあるほど、工夫の余地や新たな技を試す“チャンス” 

であると捉えるのでした。 



自然を生かした策とは



このような状況の中、今回、金子さんが採った策は、本来は稲の栄養を奪う天敵の雑草をあえて

伸ばすことでした。

そのことにより、病気を抑えようというものなのです。

誰もが考えつかない、将に、初めて行う逆転の一手だったのです。

成功するかどうか分からないが、

“新しい方策を試すチャンス”ととらえ、

新しい技を試した金子さんの収穫を向かえた田には稲の穂がしなやかに撓わに実ったのでした。


そして、金子さんは、地球の生命や人類の危機が叫ばれている現在、

100年先まで永続するような匠の技を持たなければならない 

と語りました。



生長の家総裁・谷口雅宣先生は『小閑雑感 Part13』のなかで、自然と人間との一体感を深める

大切さについて、次のようにお説きくださっています。

この21世紀初頭の現代にあって、「心の法則を実際生活に応用して、人生を幸福にする」という

運動の目的を達成するためには、何をすべきでしょうか? 

それは、人々がより多くの物質的手段を獲得する--例えば、より広い住宅に住み、

より大きい自動車に乗り、より高価な衣服に身をまとい、より高価な食品を食べる--ことでは、

もはやありません。

そうではなく、それは人々が破壊してきた自然をより多く回復し、自然と人間との一体感を深め、

より少ない物質的手段で人々が幸福感を抱くような生き方を開発し、その生き方をより多くの人類に

広めることです。

これをするためには、「人間は本来神の子であり、すでに救われているから幸福である」という

真理ほど強力なメッセージはありません。

「人間は自然から奪うことで幸福になるのではなく、自然との一体感を得、さらにそれを深めること

で幸福になる」というメッセージを広めることが大切です。

      生長の家総裁・谷口雅宣先生著 「『小閑雑感 Part13』
                         “立教の精神”を今生きるために」 から 




今こそ、未来世代の幸福のために、“自然と共に伸びる”運動を伸展させ、奪う生活から与える

生活への意識改革と“自他一体の自覚”に目覚めていかなければならず、大自然の恩恵に感謝し、

山も川も草も木も鉱物もエネルギーもすべて神の生命、仏の生命の現れであると拝み、それらと

共に生かさせて頂くという宗教心が大切であり、この宗教心にもとづく生活の実践こそが、

地球環境問題を解決し、人類に平和をもたらす鍵であると考えます。