『 過程こそ成長の道 』

「結果も大切だが、過程こそ成長の道」

 

オリンピックのスキーフリースタイル女子モーグル


バンクーバーオリンピックのスキーフリースタイル女子モーグルで代表選手に選ばれた上村愛子

選手は、2008年-2009年シーズンで、ワールドカップ総合優勝こそ成りませんでしたが、2009年

フリースタイルスキー世界選手権(リステルスキーファンタジア 猪苗代町/ 日本)ではシング

モーグル並びにデュアルモーグルで見事に優勝し、日本人選手初となる2冠王に輝きました。



この活躍が認められ、今回の「第21回冬季オリンピックバンクーバー大会」の代表選手に上村愛子

選手が選ばれたのでした。


しかし、今回のバンクーバーオリンピックのスキーフリースタイル女子モーグルでは惜しくも

メダルに手が届くことが出来ず、4位となった上村愛子選手は、競技の後のインタビューにおいて

全力を出し切ったことに対する満足感を述べつつも 「何で、こんなに一段一段なんだろうと思い

ましたけど・・・」と無念な心情も隠すことができませんでした。


さらに、メダルを取れなかったことを悔やむ気持ちを次のように語っています。


上村愛子選手のホントの思い

どうして、こんなにも沢山の人が
私を支えてくれるのに

なんで、結果は
残せないんだろう。

メダルはいつも
ちょっとのところで
届かない。

答えのない答えは
考えないほうがいいのか。
もしくは、開き直ったら楽になれるのか。

昨日の夜は
いろんな事を考え、眠れませんでした。


でも、考えたあげくに
自分の為だけに出した答えは
『私の人生の沢山あるストーリーの中で、それは
メダルという観点での一つのお話』だという事。

だから、これはこれで、しっかり受けとめて
また、歩いて行けばいい。そう思いました。


私の友人が言ってくれました

難題のない人生は『無難な人生』
難題のある人生は『有り難い人生』

私はその後者を歩いてると。


オリンピックを夢見て
オリンピックでのメダルを夢見て
ずっと戦い続けてきました。

毎年、毎日、新しい考え方や新しい行動
いろんな自分を発見してきました。

自分のこうありたいと思うとおりの自分
自分の嫌いな自分

成功したときの喜び
失敗したときの悔しさ悲しさ
心が折れるとき
また立ち向かうとき


いろんな自分自身と向き合い
スキーの技術の成長と同じように
自分自身を成長させることができました。

ありがたい事だなぁと思います。

私にとって、オリンピックのメダルをとることは
この数年、自分自身に課せていた責任だったかもしれません。


周りの方からの大きなご支援とご協力。
それにお返しが出来るのは、やはり
結果を残す事がものすごく大切だと
思ってやってきました。


けれど、
それだけじゃないのかもと
少しは柔らかく考えられるようにも
なっています。

実際、
メダルを取れなかった事は残念でしたが
今、とても清々しい気持ちなんです。

私を支えてくださったみなさんは
最高にプロフェッショナルな人たち。

最高の環境で、最高の人、最高の道具に
支えられ、スタートからゴールまで
悔やまれる失敗をせずに滑り切れたことは
本当に幸せだったから。


私には、おおきな金メダルプロジェクトを
大成功に収める力は少し足りなかったけれど
その為の準備は万全だったし
「私たちの技術が世界一!」
と胸を張って滑ったことはたしかです。


皆で力を合わせて、皆でおんなじ目線で
一つのゴールに向かって頑張る過程、
自信を持って全力で戦えることが
なんて素晴らしい事なんだろうと思いました。

だからきっと、こんなに
清々しいんでしょうね。

皆様のご理解とご協力とご支援に
心から感謝します。



上村選手はオリンピック初出場となった1998年の長野大会で7位、2002年のソルトレークシティ

大会で6位、06年のトリノ大会で5位とあと一歩のところでメダルを逃してきました。

そして迎えたバンクーバー大会の目標はもちろんメダル獲得であったが結果は4位、前回大会より

も順位を1つ上げたものの、またしてもメダルには手が届きませんでした。

日本国内からは「よく頑張った」と惜しみない声援が送られはしましたが、やはり本人は結果に

納得していなかったのでした。




この世の中に、無駄なものは一つもない


世の中に無駄なものはひとつもない。困難さえもその人に知能を賦与する。困難の中にあって

毅然として立つ者には荘厳の美が備わる。

困難は吾々に或る価値を賦与する。

困難は困難にあらず、平易は平易にあらず、曲がるべきは曲がり、屈すべきは屈し、或いは竣しく

或いは急にして生命愈々美しく荘厳を極む。

           (生長の家創始者 谷口雅春先生『新版光明法語〈道の巻き〉』より)



上村選手は、金メダルプロジェクトを立ち上げてくれた沢山の人に感謝するとともに、

みんなが力を合わせて、一つのゴールに向かって頑張る過程はなんて

素晴らしいことなんだろうと

思うことができたのです。


そして、これまでの自分の努力と「世界一の技術!」と胸を張って滑ったことに誇れる自分

を発見することが出来たのでした。