『 勝利への道 』

「勝利への道」


バンクーバーオリンピック 頑張れ!日本!

だれもがあきらめる状況を乗り越えて

何故、勝利を手にすることができたのか

奇跡とわれる大逆転のうらには必ず不可能を可能にする道筋がある。



圧倒的に不利と見られた状況から逆転勝利を挙げたアスリートたちがいます。

しかし、それは「奇跡」ではあっても決して「まぐれ」ではなく、勝利に向けた周到な準備や

壮絶な精進の日々の努力によって、もたらされた会心の大逆転スペシャルだったのです。

かつての日本のノルディック競技は世界で振るわず、カルガリー五輪では10か国中9位という

成績で欧州の選手に圧倒されていました。


しかし、そこから常識破りの方法で若手が急成長し、アルベールビル五輪で見事金メダルに輝く

ことが出来ました。
 

だが、その裏には長年この競技をけん引してきたエース阿部選手をオリンピック選考から切る

という非情の決断があったのでした。

必ず、代表になれると思っていたエースの阿部選手は、選考から外されたことで失意のどん底

に落とされ、自暴自棄の状態になりました。

アルベールビル五輪の選考から外れた阿部選手は、競技の最中は選考された選手に迷惑はかけら

れないとして、表面は極めて明るく振舞っていた。

そして、日本は見事に金メダルを手にしたのだが、阿部の心の中は複雑で環境や状況を恨み、

自分を嫌悪し、引退おも考えていた。


しかし、その時に奥さんから子供が出来たとの知らせを受け、一筋の光を見出したのでした。

「よし、子供のためにもう一度頑張る!」


阿部選手はそこから再び立ち上がったのでした。

そして、人の何倍も練習に取り組み、血の滲むような努力を重ねたのです。



わが向かう先は常に明るくし、たとい周囲のものすべて暗くともわれは常に光明を見る。
われ自身光明にして暗黒のうちにも光明をはなてばなり。
 
                                                                   「智慧の言葉」より



そしてアルベールビル五輪の4年後のリレハンメル五輪の表彰台の真ん中にいたのは、阿部選手

だったのです。

阿部は、この事を振り返り、「これも、アルベールの挫折があったからこそ出来たことです。

今になってみれば、あの時に腐らなくてよかった。あの時の経験は自分の人生において宝物

です。」と答えていたのです。



ここで学んだことは、どんな挫折や困難があってもそこで腐ることなく、そこで踏ん張り、

前を見て努力するところに、今望むところのものよりも、さらに素晴しい結果が与えられると

いう事でした。



諸君よ、神は光源であって、われらはすべて「光」である。そして積極的に存在を主張しうる

力は「光」にのみあるのである。「光」はただ進めばよいのである。

茫漠と広がる暗黒を前にして恐れて立ちすくんでいる限り、いかなる「光」も暗を征服する力はない

のである。

諸君は暗を広くし深しと言う。しかし暗は広く深いのではない。

それはただ光がまだ進んでいないことを意味するにすぎないのだ。

諸君よ、ただ進め、勇気を鼓して起ち上がれ、恐れずに突き進め、恐れずに自己の進む力を肯定せよ。

そこにこそ、暗は消え、活路はひらけ、死は破れ、光明輝く自由自在な生命こそわがものであること

が体得できるのである。
               (生長の家創始者谷口雅春著 『生命の実相』7巻より)