「文化の秋」
心を豊かにする芸術文化
第25回国民文化祭の開会式に、皆さんと共に出席できることをうれしく思います。
岡山県は、南は風光明媚な瀬戸内海に面し、北は中国山地の山々を望む、豊かな自然と穏やかな気候に恵まれた土地柄で、古代吉備国の繁栄の遺産を受け継ぎながら独自の文化をはぐくんだ地域です。備前焼・備前刀・備中神楽などの伝統文化を守り育てる一方、日本洋学の先覚者の輩出、我が国初の西洋近代美術館である大原美術館の開設など、時代をリードするような文化創造に大きな役割を果たしてきました。
この岡山の地において、県内各地、全国各都道府県、さらには海外からも、様々な文化活動に取り組まれている方々を迎え、国民文化祭が開催されることは、誠に喜ばしいことであります。関係者の皆さんが開催のために払われた努力に対し、心から敬意を表します。
近年、人々の価値観が多様化する中で、生活の質を重視し、心の豊かさが強く求められるようになり、文化に対する国民の関心がこれまで以上に高まっています。
これから大きな文明の転換期が来ると言われています。
物の見方、考え方、価値観などの変化が現れ始めているなか、人々の心の豊かさがより求められています。
国民文化祭は、アマチュアを中心とした国民一般の各種文化活動(民俗芸能、民謡、オーケストラ、合唱、吹奏楽、演劇、吟詠剣詩舞、文芸、美術、映像、茶道・華道・食生活から囲碁・将棋までの国民娯楽にいたる生活文化等)の日頃の成果を全国規模で発表し、競演し、交流する機会を提供する日本最大の文化の祭典で、心の豊かさを養うための機会にもなっています。
後楽園は、当初は「御菜園」、「御菜園塚」などと呼ばれ、藩主が賓客をもてなした建物・延養亭が中心にあり、岡山城や周辺の山を借景とする133,000平方メートル、東京ドームの3倍もの広さがある素晴しい回遊式の庭園です。
この庭園はは日本特有の茶趣味の手法が多く取り入れられるとともに広大な芝生と沢の池の広々とした水面の景趣が、瀬戸内の温暖な気候風土に似て明朗快活なことや、築山・池・芝生・曲水・園路・植込等が優雅に配置され、いかにものびのびとして上品に造られています。本園を構成する庭石・樹木はほとんど郷土のもので風土に調和した景観構成しています。