『夢を語れ、不可能を超えろ』

「未来世代の幸福のために」

 化石燃料がピークを向かえたといわれる今日、このまま人類が化石燃料を求めて走り続ければ最早、人類の未来はないといっても過言でない。このような状況の中、ホンダでは藤本幸人技術者を中心に「究極のエコカー」を商品として開発した。この燃料電池車は水しか排出しない究極のエコカーなのである。

 この「究極のエコカー」は、空気中から酸素を取り入れて、水の電気分解の逆反応で電力を生み出し、水素を燃料として電力をつくる。今は電気自動車も注目されているが、二次電池を用いて、充電に時間がかかるという難点があるが、水素を燃料とする燃料電池車ならば、水素ステーションで数分で満タンにすることができ、数百キロ走ることができるといわれている。水素を燃料とした車は、太陽光発電力、風力発電力、地熱発電力などの自然エネルギーと組み合わせれば、水と酸素、水素の間を往復するサイクルができ、現代では無限のエネルギー源といえる。
 
今回新開発された次世代型燃料電池Honda FC STACK」は、従来からのモデルをさらに進化させたもの。出力だけを見ても76キロワットから86キロワットへと強化されている。しかし、今回の改良で大きく開発を前進させたのは本体に世界初の金属プレスセパレーターとパネル型構造を採用したことだ。これにより、小型化と部品点数の半減に成功。特殊な材料も使用しておらず、将来の量産化をかなり意識した構造になっている。
 
 
未来の車・燃料電池自動車の開発は、これまでのノウハウが通用しない、未知への挑戦だ。
開発責任者である藤本は、部下たちが試行錯誤して改良を加えた車を、必ず自ら運転し、判断を下す。
少しでも気になった点があれば、容赦なく厳しく指摘し、さらなる改良を求める。
少しでもより良いものにしたい――その強い思いが、技術者としての藤本の根幹にはある
 


この「究極のエコカー」を開発をした藤本技術者は「プロフェショナル」を次のように語る。

『信念を持って突き進み、夢を実現出来る人、どんなに厳しい困難な条件でも結果を出す人』 

「夢を語れ、不可能を超えろ!」

 未来の車「究極のエコカー」・燃料電池自動車の開発は、これまでのノウハウが通用しない、未知への大きな挑戦である。この未来の車は、試行錯誤を繰り返し、改良に改良を加えて、さらに少しでもより良いものにしたいとの強い思いで完成された。

「夢を忘れるな!」

 燃料電池車を、今のエンジン自動車に代わるほどに成長させ、量産・普及させたい。
この大きな目標を実現させるためには、地道な改良を一歩一歩進めていく、気が遠くなるほどの道のりを手探りで進んでいかなくてはならない。そんな中で前に進む力となるのが、目指す「夢」をけっして忘れないことだ。

「思いは意地でも形にせよ!」

 地道な試行錯誤を繰り返しながら壮大な夢を実現させるには、技術ややる気だけではなく、絶対に夢を実現させるという強烈な思いが不可欠だ。

「未来世代の幸福のため」には、自らが走るだけではなくて、仲間たちと一緒に走り続けて、「夢」を共有することが大切だ。

 CO2を削減し、地球環境を守るために、一日も早くこの「究極のエコカー」が量産されることを望みたい。


1.「夢を語れ、不可能を超えろ!」
2.「夢を忘れるな!」
3.「思いは意地でも形にせよ!」

この三つのキーワードは「人生の勝利者」となるためには勿論のこと、地球環境保全にとってもとても参考なるのではないだろうか。